人事・労務情報
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会社からセクハラがなくならないワケ
以前の記事で、「うちの会社は絶対にセクハラを許さないという姿勢を徹底して貫き、(事例があったときは)厳しい対応をもって示すことが、セクハラ撲滅のためには必要」と書きました。
しかし、現実には会社はなかなか徹底した対応ができず、セクハラの発生は後を絶ちません。これはなぜでしょうか?
会社として徹底した対応ができない理由を聞くと、多種多様な答えが返って来ます。
●セクハラは被害者の主観によって成立するので、かなりのグレーゾーンが存在し、そのグレーゾーンをすべて否認すると、異性とはほとんどコミュニケーションがとれなくなってしまう。
●被害妄想的な社員も中にはいる
●被害者の方にも(服装や言動などで)問題がないとは言えないケースがある
●酒の席でのちょっとした言動まで追及されると、うちの会社の大部分の社員が処罰対象となってしまう
等々です。
しかし、だからといって「ある程度のセクハラが起こるのは仕方がない」と経営陣や人事が思ってしまっては、決して状況は改善されないと考えます。
もちろん、何でもかんでも処罰すればよいというのではありません。重要なのは、一つ一つの事例を会社が重く受け止めて調査等の対応を行い最終見解を明らかにする、絶対に見て見ぬふりをしたり、結論をうやむやにしない、というスタンスで臨むことだと思います。
前の記事でも書いたように、当事者に自覚がないというのが最も困りますから、早い段階でイエローカードを出すという職場習慣を意識的に作っていくことも必要です。
被害者側は、職場への影響も考慮して『微妙な拒絶』から始めることが多いようです。それを見逃さず理解してあげるためには、加害者本人というより周囲が感じ取って「それはまずいと思います」と毅然とイエローカードを提示(相手が上司であっても)することが、リスクマネジメント上でも必要ではないでしょうか?
セクハラ防止の話をすると、中には「社内に好きな人ができても、告白もするなということか?」とヒステリックな反応をする人もいますが、そういうことではありません。そんな人にはこう言いたいです。
「ぜひ勇気を持って告白してください。でも1回断られたら勇気を持ってきっぱりあきらめましょう。101回目のプロポーズはドラマだから許される話で、実社会では完全なるストーカーです」