人事・労務情報

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人はなぜ採用面接でウソをつくのか

 

人事担当者なら誰でもおわかりのことと思いますが、採用面接で受験者は様々なウソをつきます。まあ、面接官のほうも質問に対して本当に正直に答えることは少ないですから、面接会場は『だまし合いの場』と言っても過言ではありません。

 

採用面接で「自分をよく見せたい」というのは当然の思いであり、これについて「けしからん!」と怒っても仕方がないのですが、一方で、‘騙されない’ための何かいい方法はないでしょうか?と質問をされる人事担当者の気持ちもよくわかります。

 

 

ところで、面接で出てくるウソには2種類の性質のものがあります。
(1)経歴詐称など、事実と異なることを言うウソ
(2)自分の考えや意見などについて、心にもないことを言うウソ
の2つです。

 

(1)のウソは、見抜くことが可能です。そのポイントは、掘り下げて聞くこと。行動や事実をできるだけ細かく具体的に確認するような質問を重ねていくうち、それがウソならどこかで破綻し、しどろもどろになることが多くなります。また、このようなアプローチの仕方は、相手の実力レベルを的確に判断するのに有効でもあります。

 

問題は(2)のウソで、真実は心の中にしかありませんからどこまでもウソの上塗りができますし、それが本当かどうかを確かめる術もありません。また、本人としても罪の意識がなく、ウソだとは思っていないことがあるので、見抜くのは非常に困難です。

 

これらから導き出される結論は、採用面接では経験や実績を中心に質問し、その人の考えや意見などはできるだけ聞かない、聞いても合否判定の基準にしない、ということになります。幸い、最近では新卒の学生も昔のレジャーランド化した大学に通っていた人たちとは違い、「経験を聞く質問」にも耐えられるようになってきました。

 

採用面接でまんまと‘騙され(?)’、後で「こんなはずでは・・・」と悔やむパターンを少しでも少なくするためには、『ウソをつきやすい質問ははじめからしない』というのが第一かな、と思っています。