人事・労務情報

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人事と義理・人情

 

人事施策を行う際の判断に義理・人情をはさんでいいのかどうか・・・・・これは結構難しい問題です。

 

原則的には、上司や特定の人の個人的な意思で人事に関する判断がなされてはならないと考えるのが普通だと思えますが、現実的には、『義理』はともかく『人情』はあちこちで人事の判断材料になっています。

 

「あいつは、今まで異動希望が叶ったことがないから、今回は叶えてあげよう」とか、「本当はAの配置にしたいんだけど、それじゃあまりにかわいそうだからBの配置にしておこう」といったケースは多くの会社であるのではないでしょうか。
また、社内結婚の2人(または以前結婚していて離婚した2人)が、近くの職場にならないように調整したり、同じプロジェクトのメンバーになったりしないよう配慮している会社もあるでしょう。

 

大規模の会社では「そんなことを言っていたらキリがない」ということで、義理・人情は排除していかなければオペレーションに支障をきたすかもしれませんが、人事施策の目指すものは「業績(生産性)の向上」であることを考えると、一定のルール・条件にしたがってドライに判断するよりも、場合によっては人情をはさんだ判断をしていくことが会社にとってもメリットが大きいというケースも少なくないと思われます。

 

私見ですが、
●本人にチャンスを与える(異動・配置・任用など)という場面では、人情をもって判断することも必要で、
●評価や処遇を決定する(昇格・賃金決定における査定など)場面では、義理・人情を排除を排除しなければならない
というふうに、人事施策の性質によって大きく2つに分けた運用の仕方が望ましいのかな、と思います。

 

※ただし、前者については「えこひいき」「不公平」と受け取られないよう、ある特定の人だけを特別扱いしたりしないように気をつけなければいけませんね。