人事・労務情報

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さびしい在宅勤務

 

ずいぶん前から在宅勤務制度の必要性が叫ばれています。恐らく、ほとんどの会社が一度は検討してみたことがあるテーマではないでしょうか?

 

目的としては、ワークライフバランスの充実による社員満足の向上、女性のリテンション、再雇用高齢者の活用など、会社によってさまざまですが、少しずつ『検討中』から『一部実施』へと舵をきる会社が増えてきたように思います。

 

 

導入に際しては、情報の共有方法、指示命令~報告ルール、セキュリティ、勤怠管理、通信インフラ対応、費用補助などさまざまな問題をクリアしていかなければならないので、人事担当者はかなり苦労されていると思いますが、いくつかの事例を見たときに、まだ多くの会社でクリアされていない共通の課題があると感じます。

 

それは、組織内のコミュニケーション、動機づけ、フォローといった、社員の内面的・心理的な部分へのケアのあり方です。

 

私自身の仕事のスタイルも一種の「在宅勤務」なのですが、在宅勤務の最大のデメリットは『孤独・さびしい』ということだと身をもって痛感しています。
目の前の仕事がサクサク進んでいるうちはいいのですが、難題に直面したり、不安や迷いが生じたときに周囲に声をかけられる人が誰もいないというのは、仕事の生産性にも影響を与えます。

 

 

そういうこともあって、ほどんどの会社は在宅勤務日数の制限を設けているのでしょう。確かに週1~2日程度の在宅勤務なら、上記のような心配はあまりいらないかもしれません。

 

しかし、在宅勤務というワークスタイルが徐々に定着し、一人当たりの日数が増えたり対象者が増加してくれば、必ず人間関係/コミュニケーションの課題がクローズアップされてくると思っています。

 

ただでさえメンタルヘルスの問題で頭を悩まされることが多い昨今、「在宅勤務による新型メンタル疾病」が生じないよう、できるだけ未然に手を打っていきたいものですね。