人事・労務情報

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会社の「人財力」を決定づけるもの

 

どの会社においても、人財は最も重要な経営資源ですから、多くの会社が何とかその質を高めようと様々な努力をしています。

 

それにもかかわらず、人財力が高い会社(=人が成長し、モチベーションが高く、組織が活性化している等)とそうでない会社は確実に存在します。

 

その決定的な差はどこにあるのでしょうか?

 

(前回の記事に書いた、「グレーゾーンへの向き合い方」とも共通する部分が多いのですが)
私は、会社の人財力を決定づける最大の要因は「人のマネジメントに関する信念(ポリシー)をどれだけ明確にできるか。またそれを徹底できるか」だと考えています。

 

 

人財力が高い会社は、例外なく、社員の育成や意欲・納得感向上につながる明確(かつユニーク)な方針を掲げているとともに、それに沿った施策を着実に粘り強く実行しています。
例えば、
●仕事だけでなく人生を楽しむ人であれ
⇒残業ゼロをルール化
●人事制度はオープンでガラス張りの運用をする
⇒チーム内相互評価を行いフィードバック
●新しい仕事へのチャレンジを奨励
⇒異動希望は50%以上実現させる
●周囲への思いやり・身近な社会貢献を重視する
⇒社員全員によるトイレ掃除、近所の清掃
などが具体的な例として挙げられます。

 

一方で、そうでない会社は、
「そうは言っても、現実には○○という問題がある」
「それが理想だが、うちの業界ではとても無理だ」

と、『できない理由』ばかりを探して、結局明確な信念は打ち出せない、または実際の施策として徹底できない傾向があると感じます。

 

 

どの会社にもさまざまな事情・しがらみがありますから、「ヒトに関する信念の明確化と徹底」というのは、決して簡単なことではありません。当然リスクもあります。
しかしながら、会社の人財力を左右するという重大なテーマに対して消極的になり、組織として成長する機会を逃しているのであれば、それは罪の大きなことではないでしょうか。

 

人事・労務に関して明るい話題が少ないご時世だからこそ、会社独自の「社員が育つしくみ・元気が出るしくみ」をトップ自らが強くコミットして作っていきたいものですね。