人事・労務情報

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『人が育つ会社』にするための鉄則

 

人事制度を考えるとき、まっとうな会社なら「人の成長」というキーワードが必ず出てきます。人の成長→会社の成長という図式を中心に置いて人事施策を組み立てるというのは、もはや常識と言っていいでしょう。

 

では、『人が育つ会社』を作るために、最も重要な要件は何でしょうか?
それは、「能力とやる気のある人が、それにふさわしい役割やチャンスを与えられること」だと思います。

 

もちろん、研修やOJTも重要ですが、実際の仕事で様々なハードルに挑むプロセスを通じて得られる経験値こそが、本当の意味での「成長」と言えると思いますし、職場がそういったムードにあふれているならば、必ずや人も会社も成長するという好循環ができるでしょう。

 

逆に、役割やチャンスが与えられないというのが、社員にとって最も残酷です。

 

 

以前のブログで「役割給制度導入のすすめ」を書きましたが、これは単に人件費の適正配分や社員の納得感向上につながるだけでなく、「役割・チャンスを広げて人の成長を促す」という点に最も効果を期待するものである、と言っても過言ではありません。

 

『人が育つ会社』にしたいのであれば、まず、年功で配置・任用が決まるといった「阻害要因」を撤廃し、社内公募・自己申告制度や役割給などで自律的風土を醸成するインフラを整備する、そして、そのインフラを前提とした教育・研修のしくみを組み立てていくというのが鉄則であると考えます。

 

教育・研修部門が独立した組織になっている会社も少なくありませんが、教育・研修は一連の人事施策と不可分のものですから、人事部門と別組織にするというのは、私は賛成できません。人事関連業務に関わるすべての社員が、「人の成長→会社の成長の全体像」を強く意識しながら日々の仕事をしていくことが、【人事担当者の成長】のためにも必要不可欠なことではないでしょうか。