人事・労務情報

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目標管理が向かない仕事

 

以前の記事で「目標管理による業績評価の限界」について書きました。

 

そこでは主に「目標達成度により評価を決めることへの疑問」が中心でしたが、それ以外にも目標管理制度を運用する際には注意すべきことがあります。

 

 

その一つが、『目標管理が向かない仕事』というのが、少なからず存在するということです。

 

例えば、以下のような仕事です。

 

①特に努力しなくてもできること
⇒昨年と全く同じ方法で進める仕事等はこれに該当します。

 

②裁量が認められないもの
⇒法令や規則で手順が決まっていて、その通りに進めるしかない仕事等

 

③偶発性・流動性が極めて強いもの
⇒相手がある仕事で、予定調和的な計画がほとんど立てられないもの等

 

 

目標管理がうまくいかない代表的なパターンに、定型・ルーチン業務を中心とした事務業務(①②のケース)や、病院や介護・保育施設等のスタッフ業務(③のケース)などがありますが、これは、そもそも『目標管理が向かない仕事』に目標管理のしくみを当てはめようとしていることに無理があると言えます。

 

(注)事務業務や施設の仕事が目標管理に向かないということではありません。あくまで、上記①②③の性質をもつ仕事にまで目標管理を持ち込むべきではない、ということです。

 

 

目標管理が有効にはたらく仕事は、Plan-Do-Seeのサイクルを自律的にマネジメントできる仕事に限るのです。この点をきちんと理解して職場での展開を考えないと、せっかくの「生産性向上のためのしくみ」が逆効果になりかねません。

 

 

上記①②のような仕事をメインとする人がいること自体も問題ですが、それがその会社の実情ならば、まずはその仕事の性質にあった管理方法をとるべきであり、何でもかんでも目標管理と硬直的に考えることからは脱却したいものです。