人事・労務情報
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「成長本位制」人事制度のすすめ②
前回の記事で、「人事制度の本質は、みんなが生産性を高めるように努力することを促すことであり、そのために【成長本位制人事制度】の構築をおすすめする」と書きました。
それでは、【成長本位制人事制度】とは具体的にはどのようなものになるでしょうか?
この制度の最大のポイントは、評価、人材育成といった「現場で行われる人事マネジメント」が徹底的に「ヒトの成長」をキーとして行われるということです。
例えば、評価制度については、以下のようなイメージです。
●その人の成長度合を測る『成長インジケーター』を「知識・スキル」「業務プロセス(行動)」「業務成果」「ノウハウの伝承」について個人別に設定し、それにどれくらい到達したかという観点で評価を行う。⇒1年間でどれくらい成長したかを評価する。
●同じ「成果目標」を立てるにしても、組織目標からブレイクダウンして個人目標に落とすのではなく、その人の成長を積み上げた結果として目指すべきゴールを明らかにするという考え方とする。
●あくまで、本人の成長を主眼において運用するものであり、評価を給与・賞与に直接反映はさせない。
その他、人材育成も人事異動もメインの目的は「ヒトの成長のため」とし、組織都合を優先させない運用をすることが肝要です。
一方、報酬については、客観性・納得性を担保するために「仕事本位」とすることが必要でしょう。具体的には以下のように個人評価とは切り離すイメージです。
○月給は役割・職責により決定(等級も役割等級制に)。
○賞与は会社業績と組織業績のみによって決定(=あくまで組織成果にこだわる)
もちろん、実際に制度化することにはリスクもありますし、そう簡単に進む話ではありません。
しかし、「マジョリティのやる気向上~組織全体の活性化」を本気で考えると、現状の成果主義型人事制度の先にはその答えが見えない、というのが正直なところです。
成長本位制人事制度、前向きに考えたいという会社があれば、ぜひとも応援したいです。