人事・労務情報

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評価制度運用に欠かせないもの

 

私が研修講師として仕事をさせていただく際の研修テーマは、圧倒的に「評価者研修」が多いのですが、評価制度の運用がうまくいっていない会社には、研修のオファーの段階で共通の傾向があることを感じます。

 

それは、『はじめに評価制度ありき』という発想になってしまっている、つまり、評価者は決められたルールにしたがって制度を忠実に運用しなければならず、それをきっちりできるように研修をして欲しい、というものです。

 

そもそもマネージャーの最大の役割は、仕事の生産性向上(成果向上や人の成長など)であり、評価制度はそれを促進するひとつの手段であるはずなのに、このことを忘れて手段が目的化してしまっているのです。

 

ですから、私は研修の中で「はじめにマネジメント方針ありき」ということを強調しています。仕事の成果をあげ人を育てるためには、どのような組織マネジメントが必要かを、評価マニュアルに頼るのでなく、自分の頭で考えること。そしてその実践にあたって評価制度をツールとして活用しましょうということです。
100人のマネージャーがいれば100通りの評価制度運用があるはずですし、自分のマネジメント方針と制度が合わなければ、制度運用の方を変える方向で働きかけるべきなのです。

 

評価はデジタル・機械的でなく、極めてアナログで人間的なものというところからスタートすれば、もう少しうまい運用ができるのではないかと思う今日この頃です。