人事・労務情報

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元気が出る人事制度とは

 

人事制度を見直そうとする会社の多くが「社員が元気になる制度を作りたい」と言われます。そして、大抵の場合、まず初めに成果に応じて報酬が増えていく評価・賃金制度を作ることを考えますが、それで社員の元気が出るかというと、コトはそう簡単ではありません。

 

働く人の元気の源が何かと言えば、それは「夢と希望」です。夢と希望にあふれた職場にするための条件を列挙してみてください。会社が考えるべきことだけに限定したとしても、決して評価・賃金だけがその条件ではないでしょう。職場のムードは数々の習慣(暗黙のルールを含む)によって醸成されることが多いですから、もっと多方面から、本質的なアプローチが必要なことに気づくはずです。

 

具体的には、理不尽な上司のもとで無意味な苦労をすることがないように昇任・降任のしくみを改めるといった「衛生要因(不満要因)」に目をむけ、まずはそれらを解決すること。そして、社員の自主性を重視した役割付与やフィードバックによる動機づけを強化するといった「促進要因(満足要因)」を重視したしくみを作っていくステップになります。単一の施策で職場のムードが変わると期待するほうが無理で、あの手この手で複合的に、時間をかけて取り組む覚悟がどうしても必要です。

 

非常に難易度は高いですが、社員の夢と希望のために尽力するという目的意識は、何より人事担当者自身の元気につながります。人事業務に関わる人が全身全霊ををかけて挑むには十分すぎるほど魅力的なテーマだと、私は思っています。