人事・労務情報

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メンタルヘルス対応の基本心得

 

メンタルヘルス対応は相変わらず人事にとっての大きな課題となっていますが、私はその経験上、教訓としていることが一つあります。

 

それは、「決してメンタル疾病のことを分かった気になってはいけない」ということです。

 

いくつかのケースに遭遇し、産業医や精神科医と話をしていくうちに、何となく自分も精神疾患についてちょっと詳しくなったような錯覚に陥ることがあるのですが、そんな単純な領域ではなく、どこまでいってもズブの素人の域を出ないということを自覚しなくてはいけません。

 

なぜならば、下手に自分の知識(きわめて部分的で不正確な医学上・心理学上の知識)を判断に取り入れると、対応を間違える可能性がとても高くなるからです。

 

我々人事担当にできることは、『事実に目を向ける』ことだけです。

 

「Aさんが2週間休んでいる」「以前の面談で、仕事が合わなくて悩んでいると言っていた」「主治医から1ヵ月の休養を要するという診断書が出ている」・・・・・といった事実を総合して、産業医等との専門家等と相談しながら、人事としての対応方法の判断をするべきです。

 

病名を見て勝手に症状の推測をしたり、以前担当した類似のケースから対応方法を自分で考えたりといった素人判断は慎まなければなりません。

 

はっきりしないことが多すぎて、一人ひとりの対応が長期化しがちな課題ではありますが、早く解決したいとあせって中途半端な知識で対応していると深刻なトラブルに発展するリスクも非常に高いだけに、十分に気をつけたいものです。