人事・労務情報

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パワハラの判定について

 

セクハラ同様、パワハラ対策においても、各社の人事担当者は頭を悩ませているところだと思います。

 

セクハラと共通しているのは、多くの場合加害者側に自覚がないこと。つまり、「自分がやっていることは教育・指導であり、パワハラとは違う」または、「これくらいは皆、昔からやっている。許容範囲だ」と自分に都合のいいように解釈しているということだと思います。

 

ですから、職場からパワハラをなくすのも非常に難しいことなのですが、個人的にはセクハラよりは客観的な判定がしやすいかな、と思っています。

 

 

というのも、セクハラが男女間の「微妙な駆け引き」などが絡むことがあるのに比べ、パワハラは周囲から見て「権力を使ったいじめ」であることがわかりやすいからです。

 

 

以下は、私が研修等で使用している「パワハラ判定の目安」です。

 

【レッドカード】・・・・・1回でもダメなもの
①犯罪行為(暴行・脅迫など)
②明らかに基本的人権を侵す言動
③被害者の経済的、物理的損失を伴う言動

 

【イエローカード】・・・・・回数を重ねるとダメなもの
①相手の心を傷つける言動
②行き過ぎた、または誤った教育指導
③不適切な業務命令

 

 

もちろん、レッドカードの行為は言語道断なので言うまでもありませんが、会社のパワハラ対策としてポイントとなるのは、いかにイエローカードの行為について周囲が毅然としてホイッスルを吹き、本人に警告できるか、ということだと思います。

 

繰り返しますが、パワハラは周りの人に分かりやすいです。
それでもついつい放置してしまいがちなのは、パワハラの加害者は社内に影響力のある立場の人が多いですから、自分にとばっちりがくるのが怖いとか、「仕事のできるリーダー」を相手に事を荒立てたくないという、『事なかれ主義』によるものが多いような気がします。

 

 

パワハラ対策に最も必要なものは、「周囲の人の勇気」というのは言いすぎでしょうか?