人事・労務情報

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キャリア目標達成の「後」の重要性

 

私はよく「目標管理が向かないもの」の一つとして『キャリア形成』を挙げます。
これは偶発的・流動的要素が非常に多く、まずもって予定調和的に進まないことが大きな理由ですが、それはあくまで『長期的キャリア形成』の話。進学する、資格を取得する、ある職種につくといった『短期的キャリア』であれば、明確に目標設定することでやる気も高まり、効率的に達成する可能性も高まるということは改めて言うまでもありません。

 

しかしながら、(短期的)キャリア目標で気をつけたいのは、ほとんどの場合それは単なる通過点であり、キャリアの最終ゴールではないということです。もちろん、目標達成に向けて最大限の努力をすることは大切ですが、目標達成後の努力の方がむしろ‘本番’と考えるべきでしょう。

 

例えば、社労士の業界でも、どうしても社労士になりたくて試験合格目指して必死に勉強し、苦労の末試験に合格したという人は少なくありませんが、合格をキャリアのゴールとした人はそこで満足し、後は「何とかしてこの資格を活かそう」と考えます。一方、合格を通過点として位置づける人は、本来の目的(ex.人事コンサルとして独自の価値を提供し、人の成長・会社の成長に貢献する・・・)に向かって努力を続けます。

 

結果的に、前者は「社労士という資格そのもの」に価値を置くキャリアになり、後者は(社労士というのはただの肩書もしくは免許であると考え)「資格を超えたパフォーマンス」に価値を置くキャリアになるのですが、間違いなく後者の方が成功する可能性は高くなります。お客様にとってどちらが望ましいかは明白ですから。

 

 

実は、キャリアに限らず、目標は短期であればあるほど効果を発揮し、期間の長いものはあまり有効に機能しません。
ですから、テーマ自体が中長期の場合は、短期目標を連続で設定してPlan-Do-Seeを回していくことが望ましいと言えます。これだと必然的に「目標達成して終わり」ではなく、「目標達成の後どうするか」が重要になるわけです。

 

ただ、延々と努力し続けなければいけないと考えるのも精神的に辛いものです。
目標の背景にある【目的・理念】をしっかりともつこと、また、短期目標の節目で意識的にリフレッシュする(ex.達成したなら盛大にお祝いする・・・)ことも同時に重要になってきます。
このへんの話はまた別の機会に。