人事・労務情報

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「正統派社労士」とは

 

早いもので社労士の資格をとって11年になろうとしています。

 

その間、色々な社労士の方とお会いしましたし、一口に「社労士」と言っても実に様々な仕事のスタイルがあることを身をもって知りました。

 

ただ、そんな中でも社労士の基本形と言うべき「正統派社労士」の要件というものがあるような気がします。

 

 

私なりに3大要件を具体的に整理すると、以下のようになります。

 

①法律・判例等の知識が豊富である
→労働や社会保険に関する法律や、それに基づく行政通達、裁判例などをよく知っており、会社の労務マネジメントにおいて間違った判断がされないようにアドバイスすることは、お客様からも強く求められます。

 

②社労士にしかできない業務をやっている
→各種書類の作成・届出等の手続き代行をする場合、社労士資格が必要なものも多く(労働保険・社会保険関係、就業規則や労使協定、一部助成金など)、それらの業務を中心に仕事を組み立てていくことは、社労士としての王道とも言えます。

 

③直接のお客様は主に「中小企業の社長」である
→上記①②の業務を期待されるケースは中小企業に多いため、当然の流れではありますが、メインの顧客は中小企業です。社労士向けのセミナー等でも、ほぼ例外なく、お客様=中小企業の社長という前提で話がされます。

 

これから社労士を目指す方は、この3大要件を参考にしていただければと思います。

 

 

【以下、蛇足ですが】
ところが、自分自身に振り返って考えると、実はこれらの要件をほとんど満たしていません。

 

①については、それなりのレベルにあると思いますが、
②の手続き代行は、就業規則・労使協定の作成支援を除いて行っていませんし、
③も、主に人事部・人事担当者に対する価値提供を中心にしているのが現状です。

 

 

つまり、私自身は「正統派社労士」ではなく、それらの方とは別のところで会社のお役に立とうとしていることとなります。
(実際に、私と別の社労士と並行して顧問契約をされているお客様も数社いらっしゃいます)

 

これは狙ってそうした訳ではなく、自分の強みとか志向に合わせた仕事をしているうちに自然に形成された仕事のスタイルと言えます。

 

正統派=本流でないことのやり辛さは多々あるので、決しておススメできるスタイルではありませんが、逆にこれをセールスポイントにできるくらい亜流の道を極めたいと、個人的には考えています。