人事・労務情報

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目標を設定するチカラ

 

業種や規模の大小にかかわらず、「目標によるマネジメント」を行っている会社は多いです。しかし、その運用にはどの会社もかなり苦労しているようです。とりわけ、「適切な目標を立てること」の難しさに四苦八苦しているケースが相当多いと思われます。

 

ところで、「適切な目標」とはどのような目標でしょうか?

 

これは「いい目標」と言い換えることもできますが、一言で言うと『成果を最大化させる目標』、これに尽きます。

 

私も自分の行う研修の中などで、「いい目標の条件」として『ゴールイメージが具体的』とか『チャレンジングであること』『短期目標であること』などを挙げたり、目標の‘体裁’のセオリーなどを説明しているのですが、結果的に成果につながっていかなければ何の意味もありません。

 

そこで、重要になってくるのが、一人ひとりのメンバーに適切な目標を設定させる「リーダーとしてのチカラ」です。

 

例えば、次の2人のメンバーに同じ「売上1億円」を期待するとします。
●田中さん・・・・大風呂敷を広げることで自分の挑戦意欲を高めるタイプ
●佐藤さん・・・・現実性・合理性を重視してコツコツがんばるタイプ
この場合、メンバーの個性を考慮して、田中さんの目標は1億2千万円、佐藤さんの目標は1億円ということがあってもいいわけです(ただし、この場合で100%達成したとき、どちらもB評価というのでは田中さんが報われませんから、事前に「田中さんがこの目標を達成すればS評価」というような約束をしておくことも必要です)。

 

こういう運用は、「全社的な制度は一律のルールに従って公平に運用すべし」という発想でいる限りは決してできるようにはなりません。リーダーがメンバーの力量やパーソナリティを把握し、自分で工夫して独自の運用ルールを作るしかないのです。

 

「目標管理研修」を全社員向けに実施するのもいいですが、まずは、リーダー・マネジメント層がそれを活用して成果につなげるチカラをつけられるよう、もっと徹底的にトレーニングをすることが求められているのではないでしょうか。