人事・労務情報

10
01

昇格したくない社員

 

民間企業でも公務員でも、「昇進・昇格をしたがらない社員が増えた」という話を数年前からよく聞くようになりました。

 

リーダーや管理職になっても責任が増えて忙しくなるだけで、いいことはあまりない、だったら今のまま「ほどほど」で仕事をしながらプライベートとのバランスをとっていきたい—–ということでしょう。

 

多様化の時代ですし、そのような考え方も市民権を得てきましたが、『上昇志向を持って仕事にのめりこむ人』はこの先どんどん減っていくのでしょうか?

 

これは、「これからの日本人の幸せとは何か?」にも関わる、とても深い話だと思います。ビジネスの国際競争力などよりも、日常の坦々とした生活の中に幸せを求めることが重視される世の中になっていくのかもしれませんし、一人ひとりの生き方としては決して否定できるものではありません。

 

しかし、会社の業績向上・生産性向上を考える立場としては、やはり上昇志向を前提としない働き方(現状維持・ほどほど)が多数派になっては困ります。
多様な価値観に基づく、多様な働き方は認めつつも、リーダー・プロフェッショナルとして高いレベルで価値提供できる人を育て、処遇するしくみをメインに人事施策を行うというのを、大きく変えるべきではないと、私は考えます。

 

おそらく、リーダー・プロフェッショナルとして働くということが、周囲から見て魅力的に見える会社こそが、この先も生き残り、発展していくのでしょうね。