人事・労務情報
01
人事はつらいよ
私は会社員時代、人事部経験が長かったこともあり、人事担当者のキモチはよくわかります(少なくとも自分ではそう思っています)。
では、人事担当者のキモチがどんなものかと言うと、これはかなり複雑です。
まず、誰もがぶち当たるのが「自分たちにとっての顧客は誰なのか」という問題。
社員なのか、経営陣なのか、事業部長なのか—-考えた末、たいていは「我々が直接価値を提供する対象は、どれか一つではなく、テーマや場面場面によって変わる」という結論になりますが、これは腰が定まらなくなる一つの要因です。
また、当然自分は会社の一員として、他の社員は『仲間』という意識でいるのに、人事制度の改定などをしようとしているときは(冗談半分で)「オレたちの敵だ」と言われたり、人事異動の検討をしている最中は他部署の人とは気軽に飲みにもいけなかったりという、孤独感を味わうことも多いです。
さらに、会社と社員の利害が対立するケースでは、経営スタッフとして「会社全体の最適解」を考えなければならないことは分かっていても、そのことが自分自身の不利益につながることであれば極力避けて通りたいという気持ちは、どうしても働きます。
ということで、人事担当者の苦労(心労)というのは一種独特と言えます。
人事コンサルタントや社労士は『会社側の味方』としてのスタンスで仕事をするのが通常ですが、私があえて『人事担当者の軍師』として人事に関わるヒトの応援をすることを方針としているのは、「人事=経営」という基本原則では割り切れない部分のケアまでしたい・・・・・・そんな気持ちの表れです。
そう言えば、私が人事コンサルタントとして独立した動機は「人事の人の役に立ちたい」ということ。また、このホームページでの記事も「人事担当者への発信」ということをまず最初に考えてのことです。この『軸』だけは今後も崩さずにやっていきたいと思います。