人事・労務情報

10
21

私の「働き方改革」

 

今や流行語とも言える「働き方改革」。その本質やゴールの姿がはっきりしないまま言葉だけが先行している感がありますが、思い起こせば10数年前、私も自分なりの「働き方改革」を実行していました。

 

まあ平たく言うと、会社を辞めて独立したということなのですが、その動機が文字通り『働き方を変えたい』ということでした。
具体的には、
①自分の裁量で、自由度の高い働き方をしたい
②自分の仕事に値段がつくような働き方をしたい
③時間的制約の少ない働き方をしたい

といった感じです。そして、これらは独立した直後から確実に実現していますし、その意味で自分のキャリア選択にまったく後悔はありません。

 

逆に言えば、長きにわたる会社員生活で染みついた旧来の働き方から脱却するには、それ(独立)以外の選択肢は考えられなかったというのも実情です。

 

 

もちろん、私の例が「働き方改革のモデル」ではありませんし、わざわざ転職しなくても実現する方法はたくさんあると思いますが、働き方改革の目的が【従業員満足と労働生産性の向上】であるならば、絶対に欠かすことのできない要素があります

 

それは、働く人の主体性と覚悟です。
ニュース等を見ていると、国の施策も会社の取組みも「非正規社員の処遇改善」と「長時間労働の抑制」に偏っている印象を受けるのですが、いずれにしても法による規制や会社主導の制度・しくみだけで組織風土が変わっていくとは思えません。
会社がコンプライアンスを遵守し、かつ従業員の自由度を広げるしくみづくりをすることは重要、しかし、本当に鍵を握るのは従業員一人ひとりがいかに自己責任で主体的・自律的に自己改革していけるかではないでしょうか。

 

改革をすれば失うものもあります(私の場合だと、日常の苦楽を共にする‘仲間’や収入の安定などでしょうか・・・・・)。そういったことも覚悟の上で、自分らしい働き方を追求するという強い決意こそが、働き方改革を推進するエンジンになるのだと考えています。

 

規制強化に対応するだけでなく、従業員の主体性と覚悟ある行動を促すためには何をなすべきかという点が今後の人事施策として重要になると思いますし、私自身も「次なる働き方改革」にどのように取り組むか、そろそろ考える時期に来ているような気がします。