人事・労務情報

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被害者の逆襲

 

先日、昼食で入った店が「全席喫煙OK」の店でした。食事中でもこちらの鼻先に遠慮なく流れてくる煙とニオイに、自分が6年前まで喫煙者だったことは棚に上げて「勘弁してよ~」とつぶやきつつ、「せめて分煙くらいは考えた方がいいですよ」と店の人に言ってやろうかという気持ちにもなりました。実際にこの店にクレームをつけるお客さんも少なくないと思われます。

 

思い起こせば、数年前までは飲食店での喫煙は当たり前のものとして考えられていて、吸わない人は自分の権利をなかなか主張しづらかったため、その理不尽な環境に黙って耐えていたんですよね。喫煙者が極めて傲慢な時代でした。
しかし、今はそういう時代ではありません。非喫煙者は堂々と権利を主張することができますし、社会も基本的にそちら側の味方です。

 

 

そして、これは喫煙に限ったことではなく、職場での過重労働やセクハラ・パワハラ、性差別なども同じだと思います。
『一部の人の都合で、故なくガマンを強いられてきた被害者(ex.女性、部下、生徒、後輩など)』はもう黙っていません。私は「昭和的価値観」という言葉をよく使いますが、その中でも「女は○○で当たり前」「部下は○○で当たり前」といった、【昔は常識だったかも知れないが平等さ・公正さを欠く固定観念】は一刻も早く是正しないと、被害者の逆襲の餌食になってしまうでしょう。

 

得てして、加害者は「加害者の自覚」がないもの。
まずは、「自分は加害者である(かもしれない)」という前提で、自己の言動を常に振り返る習慣が必要だと思います。