人事・労務情報

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社長vs人事

 

私も会社員時代に何度か経験したことですが、社長の考えていることと人事部の動きが食い違い、会社内でちょっとした対立構造ができることがあります。問題が表面化することは少なくても、ある程度の規模の会社ならかなり頻繁に起こっている出来事といえるかも知れません。

 

社長から見れば「トップの立場からあれこれと指示をしているのに、意に沿うような動きをしてくれない」、人事部から見れば「社長のこだわりがよくわからない。現場のことを知りもせず勝手なことばかり言ってくる」等々、お互いに不満を募らせるような状態で、特に人事制度改定など、人事の重要施策を検討しているときに起こりがちです。
また、下手をすると、人事の中に【社長対策】などという余計な仕事まで生んでしまいます。

 

 

このような時に、社長と人事の間に立って、うまく調整しながら施策の方向づけをしていくというのも私のような人事コンサルタントの仕事だと思っています。
一歩引いた立場から見るとお互いの考えが理解しやすいということもありますし、同じ意見でも「専門家としての第三者の意見」であれば社長も納得しやすいという現実があります。

 

 

逆に、社長との折り合いがつかいない時に人事が最もしてはいけないことは、「思考停止に陥って、何でも社長の言うとおりにしようとすること」です。
「そんなに言うなら一度思った通りにやってみればいいじゃないか!」と半ばヤケになってしまうこともありますが、そこからは『社長と人事の信頼関係』は決して生まれません。

 

人事=経営スタッフですので、社長との信頼関係を保っていくことは非常に大切です。
信頼関係が危うくなりそうな時、顧問やコンサルタントを社内の潤滑油として活用することもぜひ考えてみていただければと思います。